冷たい向かい風はやがて追い風へと変わり、人々を暖かく包み込む。
彼女 たち は一体、何をみせてくれたのか。
───2019.09.03/04, THE IDOL M@STER CINDERELLA GIRLS 7th LIVE TOUR Special 3 chord Comical Pops!
平日での開催にも関わらず多くの人で賑わい、盛り上がりを見せた。
披露された楽曲を含め、各公演のテーマがあるライブ、ステージ構成等々、思ったところが多く書きたい感想は山ほどあるのだけれど多分皆さんが各々書いてくれてると思うので割愛させていただきます。
ライブの感想なのにそれじゃあ何書くんだよ!
そう思う方もいると思います。もちろんライブの感想です。但し僕も"テーマ" に沿って書いていこうかなぁと思いました。
何がいいかなぁと思いながら凄く考えたんですけどコレかなぁと思ったのが
乙倉悠貴役、中島由貴さんと乙倉悠貴ちゃんについて。
以下、少しだけ昔の話をしながら本文になります。
───2017.5月
シンデレラ5th静岡公演。お恥ずかしいことに私に取って初めてのアイマスライブってここなんですよね、まだまだ新参の気分でいます。当時は担当アイドルが歌ってる姿を見たい!というまぁアイマスライブに来る人の大多数と同じ心持ちで友人を乗せて眠い目を擦り車を走らせました。本当に他の出演者とかもイマイチ把握していないような状態です。
彼女を初めて近くで見たのもそこになります。中島由貴さんの名前は知っていました。jubeatのマッチング企画だったかな?をTwitterでやってるのを見ていたので。
印象に残ってるのは2日目の事になります。自分の座席はスタンドステージ横1列目とステージで歌う演者の顔は普通にみえる状態でした。
M7.追い風running 初日は正直見えるような席でもなかったので印象が残らなかったのですが、ここでライブというもので初めて衝撃を受けたような気がします。彼女はアイマスライブには(事務所でアイドルユニットには所属していました。無くなったけど……………………)初出演だったらしいのですがそれを感じさせない安定感とパフォーマンス、何より乙倉悠貴としての元気さも感じられるほどでした。楽曲の順番も早めで、爽やかな曲調がこれからのライブを盛り上げて行くためのいい味になってるなぁとまで、思えました。案の定終演後には各種SNSで話題になるほど。ここで「この子、注目してみるかな」と当初の目的外の部分に目を付けられたのが少し嬉しかった。
続く8月のSSA公演でも大きな会場で堂々の歌唱。2ヶ月でもこんなに変わるのだなぁと本当に感動した。
その後彼女のいる現場に足を運ぶようになったりとかはまた別の機会に。
───2018.12.02 シンデレラ6thライブ ナゴヤドーム。
ここにも彼女は来ていた、そしてソロ曲のトップバッターを務め、6thライブの千秋楽の幕開けを告げるようだった。
会場もさらに大きくなり昨年を超えんと言わんばかりの歌唱をしていたとは思う。思うのだけれどもどうにも違和感を感じてしまった。
決して歌が下手とか緊張してるとかではなかった。なんとなくではあるけれど力が入り過ぎてる感があったのだ。この頃の彼女はバンドリの方の声優にも抜擢されてから少したち、そちらの仕事もドンドン増え、正直多忙を極めていたと思う。勿論あちらでも多くのことを学んでいるし吸収して来ているとトークイベント等でも感じた。しかし色々考えた結果、完全にキャラになりきらなくてはいけないのでは?という葛藤があったのだろうか。アイドルマスターとバンドリ、確かにキャラを大事にする人が多いコンテンツだしなるのが普通だろう。でも僕は首を傾げていた。とにかくそういう類の違和感だった。
勿論それが悪い訳ではなくむしろ声優としてはいい事なんだと言うことは重々承知していたつもりだった。それでもなんか惜しいなぁ…と言うのが結局最後まで抜けなかった。
ここまでで1つ思った事があった。確かに2つの大きなコンテンツに顔を出し人気もグングン伸びていたが、それ以上の仕事というものがそこまで無かったのだ。彼女が何を思っていたのかは知らない。ただビッグコンテンツの力に頼っているのでは、そういう類の不安があった。確かに個人のイベントには見慣れたキャラなどのグッズをつけてくる人が非常に増えた。人気は着実に出ているのだ。凄く嫌な予感がした。
このファン達が彼女にとっての向かい風になってしまうのでは。
ファンを悪くいう訳では無い、ただ彼らに甘えてるような部分が時折感じられたのだ。イベント中の朗読劇を初め、発売した写真集、その他たまにくる仕事。全てが本気で仕事をしているようにはとてもじゃないけれど見えなかった。なんかこう、「 別にアイマスとバンドリあるし 」みたいな怠慢さが。
演技に対する考えの甘さがあるのでは??
こう思ってしまったのが本当に悔しくて申し訳なくて、一時期Twitterでの告知なんかも見るのも嫌で遂にはTwitterのフォローを外してしまった。
─────2019.09.03,04
シンデレラ7th幕張、四日の参戦なので前日から車を走らせ現場に向かっていた、途中SAで休憩しながら初日の感想を眺めたりしてるとやけに見慣れた名前が
「中島由貴すげぇ」「しまゆきちゃんヤバ。」エトセトラエトセトラ。
やけに彼女の名前が上がってるじゃないか。一体どうしたんだ。気になりすぎて夜も眠れなかった。寝たけど。
いよいよ2日目、様々な思いと期待を胸に会場へ。
M6,きゅん・きゅん・まっくす
しんげき曲。そこまで聴き込んではいなかったけれど可愛い曲調だなぁと思ってた。それはさておき振り付けが凄くセクシーさを出していた。彼女もあざとさ全開でした。そんなこと出来たんだね。
M9,Halloween♡Code
1年待った。昨年回収できるものとばっかり思っていたので待たされた分喜びが大きかった。3拍調子のリズムと少しミステリアスかつリズミカルな曲調、こういうのが凄く好き。彼女はあろう事か猫耳を付けて歌唱していた。自分が可愛いの分かっててやってんな???そうだよ、使えるものはどんどん使って行くべきなんだよな。
M22.追い風running
正直今回はやらないかなぁと思っていたけれど長いことステージに彼女が上がっていなかったので五分五分かなぁと思っていたところでした。ステージにいた彼女からはなんか今までとは違った何かを感じた。今までライブの頭で歌われていたこの曲が終盤に差し掛かる部分で使用されることに思うことがあったのかは知らない、ただ何かをしてやるぞと言わんばかりのオーラ。
Twitterでは最後にハートマーク書いて投げキッスしてたのが〜みたいなのしか無かったがそこは多分この曲に対する本質的な感想では無いのかなぁと。
力が入り過ぎてると感じた昨年とは違い、まるで初めて聴いた時のような、凄く爽やかな、でもその時とは違う確かな力強さも感じた。 本当に嬉しかった。この1年で彼女の何かが変わったというのは僕には分からない。でも自分の考えがここで正された気がした。アイマス声優として3年目。若い彼女ももう立派な先輩なのだ。
多分これなんだ、自分が求めていたのは
アイマスやバンドリの力を借りて伸びていく中島由貴の姿はもうそこには無かった。むしろ私がこのコンテンツ支えてやってんだよくらいの意気込みすら感じられた。そうだよ、その自信に溢れた中島由貴さんが大好きなんです。
走る青春の1ページ 最初はまっしろからなんだか ワクワクしちゃうね
この曲の1サビの歌詞。彼女もまだ21歳、若くから声優をしていて多分学生時代、そこまで青春を謳歌出来ていなかったのではないか。ただ彼女は声優という仕事を楽しそうにやっている。青春というには少し遅いのかもしれないしそれは青春とは言わんだろという意見もあるかもしれない。ただ何も無い状態からならそのスタートって本当はどこからでもいいのでは。
さぁ一瞬を集めて 全部に色を塗って どうかな 楽しくなったら
追い風が季節を連れてくる 明日も素敵な日になりますようにっ
続く歌詞。思い出って本当に一瞬一瞬の繋がりで彼女にも色んな思い出はあると思います。最初はただの仕事と思った仕事も少なからずあるかもしれません。ただそれも終わってみればいい経験になってる事でしょう。仲間とこなした仕事は自分の経験値となっていつか自分を後押ししてくれます。
今が最高のワンシーン 皆で作れるよ みんなでドキドキ重ねて
正しく今この場の事を歌っていると感じました。あくまでも個人的な意見になりますが。彼女が声優業をしてる中で最大風速を感じられるレベルだったと思います。なんだろう本人も観客もハチャメチャに楽しそうだったんですよね。
トビラ開けてみて ようこそっ 新しい自分
彼女は間違いなく変わっていった。それもいい方向に。活動しながら色々考えることもあったと思います。それに対する1つのアンサーを出せたような、やっぱりこの子声優って仕事が大好きなんだなあ……
進んだ道のり 最初はまっしろから こんなに 彩り 満ちてる
アイマス声優としての中島由貴、バンドリ声優としての中島由貴、ESD時代の中島由貴、もっと前の中島由貴。色々あると思うしファンもそれぞれ始まりは違うかもしれない。ただここに来てみたらそれぞれがそれぞれの楽しさ、辛さ、全てがお互いの経験値となって今があるのは確かな事だと感じます。まるで全ての思い出が追い風になって乙倉悠貴と中島由貴、そして自分達をふわっと後押ししてくれた気分。
なんか気持ち悪い文章になってしまいました。ただ中島由貴という人間が乙倉悠貴というキャラクターを本当にほんとによく考えて大切にしてくれてたからこそ、この場での追い風runningが過去最高にいいものになったのは間違いない事だと思います。多分僕なんかより彼女のことを見てくれてる人達からしたらその解釈はおかしいと思う。みたいな部分はもちろんあると思います。もちろん否定する気もないしそれはそれで正しいかもしれません。実際問題僕も彼女には非常に申し訳ない事をしてしまった事もあります。そんな奴の戯言なんか聞きたくないと言われてもなにも言い返せません。ただそれでも僕は彼女をこれまでもこれからも応援していくことには変わりないと思うしそこに文句をいう筋合いはお互いないと思います。
これからも中島由貴さんが彼女のパートナー達と思い出の新しいページにいろんな色をつけていけることを祈っています。
たまには会いに行ってやるかな。